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2008年11月6日  08年版 最近の重要労働判例
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2008年9月25日  労働基準広報 自殺と上司の執拗な叱責との因果関係認める
 松山地裁・過労自殺で前田道路に3100万円の賠償命令
2008年9月17日  労働基準広報 自殺と上司の執拗な叱責との因果関係認める
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2008年8月11日  労働基準広報 自殺と上司の執拗な叱責との因果関係認める
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2008年7月18日  読売新聞 契約店長の過労死認定 すかいらーく 月80時間残業で年収200万
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2008年6月20日  下野新聞 海外出張の自殺 労災認定 「過重労働でうつ発症」
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作業計画を十分に検討しこまめな職場巡視を心がけよう
2008年6月3日  労働基準広報 原油高・円高が7割超の企業の収益を圧迫
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2008年5月23日  海外出張での事例
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【2008年9月】
08.11.7 08年版 最近の重要労働判例
 QC活動は労働時間で心臓死は業務上
 豊田労基署長事件(平19・11・30  名古屋地裁)

 ●事件のあらまし
 
工場内の詰所において、交代勤務の申し送り事項を記入中に、脳血管疾患及び虚血性心疾患を発症し、意識を失って病院に搬送され、心肺停止状態となってその後死亡した労働者の妻が、死亡は業務に起因するとして、労災保険の療養補償給付、遺族補償年金及び葬祭料を請求したところ不支給処分とされた。
 妻はその後、労災保険審査官に審査を請求したが、棄却され、労働保険審査会も、3カ月以上経過しても裁決を出さなかったことから、各処分の取り消しを求めて訴えたもの。

 

   紅葉も終わり冬支度

 枯葉がまだ少し残っている。

 

 判決は、パソコンによる労働時間の記録については「Bが通常の処理方法で必要と認められるであろう作業時間を想定して入力したものであって、作業に費やした実際の時間を示すものではなくこれにAが確認印を押捺した趣旨も同様のものと推認されるから、これらの点は実際の労働時間の認定資料としては直ちには採用できない」として認めず、在社時間数から、法定労働時間数と休憩時間を多めに1時間30分控除して算出した106時間45分を時間外労働として認定した。
 その上で、Aの業務状況について「過重なもので、本件発症の原因となるものであったから、上記素因等をその自然の経過を超えて増悪させ本件発症に至らせる要因となり得るものというべきである」として相当因果関係を認めた。
 争点となった「小集団活動」などについては、「創意工夫提案及びQCサークル活動は、本件事業主の事業活動に直接役立つ性質のものであり、また、交通安全活動もその運営上の利点があるものとして、いずれも本件事業主が育成・支援するものと推認され、これにかかわる作業は、労災認定の業務起因性を判断する際には、使用者の支配下における業務であると判断するのが相当である。EX会の活動については、これも本件事業主の事業活動に資する面があり、役員の紹介などといった一定の限度でその活動を支援していること、その組織が会社組織と複合する関係になることなどを考慮すると、懇親会等の行事への参加自体は別としても、役員として、その実施・運営に必要な準備を会社内で行う行為については上記と同様業務であると判断するのが相当である」と示した。なお、EX会″というのは、エキスパート(従前の班長の職制)が自動的に会員となる団体をいう。

 ●判決要旨
 
本件事業主は、Aの勤怠管理をBが残業時間等の所定事項をパソコンに入力することにより行っていたものであるが、パソコンに入力されたAの残業時間は、Bが、通常の処理方法で必要と認められるであろう作業時間を想定して入力したものであって、作業に費やした実際の時間を示すものではなく、これにAが確認印を押捺した趣旨も同様のものと推認されるから、これらの点は実際の労働時間の認定資料としては直ちには採用できないし、前記認定・判断を左右するものでもない。

 原告は、小集団活動が業務であり、これに要した時間を労働時間とすべきであると主張するが、具体的にいつどの程度の時間を要したのかは、ごく一部を除き明らかでなく、他方、被告は、一部を除きこれが業務ではなく、これに要した時間を労働時間とすべきではないと主張するが、同様に積極的にいつどの程度の時間を費やしたからこれを労働時間から控除すべきであると主張するものではない。また、仮に、これが前記認定の労働時間中に行われたとしても、前記のとおり上司であるBに管理され、その命令で業務に従事する可能性があった以上、労災認定上は、本来の業務の手待時間としてその労働時間性を肯定することが相当である。

 創意工夫提案及びQCサークル活動は、本件事業主の事業活動に直接役立つ性質のものであり、また、交通安全活動もその運営上の利点があるものとして、いずれも本件事業主が育成・支援するものと推認され、これにかかわる作業は、労災認定の業務起因性を判断する際には、使用者の支配下における業務であると判断するのが相当である。EX会の活動については、これも本件事業主の事業活動に資する面があり、役員の紹介などといった一定の限度でその活動を支援していること、その組織が会社組織と複合する関係にあることなどを考慮すると、懇親会等の行事への参加自体は別としても、役員として、その実施・運営に必要な準備を会社内で行う行為については上記と同様に業務であると判断するのが相当である。

 Aは、本件災害直前の平成14年2月9日に発生した不具合を処理するに際して、後工程のCLらから強い口調で叱責され、普段とは異なって、自らで事態を収拾できずに、Bに助けを求めるなどしたものであるところ、かかる本件災害直前の不具合対応は、普段の不具合対応との違いに照らせば、Aに対して、相当程度に強い精神的ストレスをもたらしたと推認できる。
 このように疲労の蓄積にとって最も重要な要因である労働時間に着目すると、発症前1カ月間に、1日5時間程度の時間外労働が継続し、発症前1カ月おおむね100時間を超える時間外労働が認められる場合には、特に著しい長時間労働に継続的に従事したものとして、業務と心室細動などの致死性不整脈を成因とする心臓突然死を含む心停止発症との関連性は強めるものであり、逆に休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものである。

 Aは、量的及び質的にも過重な業務に従事して疲労を蓄積させた上、本件災害直前において極度に強い精神的ストレスを受けたものと認められ、Aが従事した業務は、心室細動などの致死的不整脈を成因とする心臓突然死を含む心停止発症の原因となるものであったということができる。
 
 

 

   枯葉と笹の葉の緑

 里に降りて来た紅葉、銀杏

 

 職長業務あっても一人親方に労働者性ない
 藤沢労基署長事件(平19.6.28最一小判)
 ●事件のあらまし
 
 マンション建設現場で、大工として稼働していた者が、内装工事中に負傷した。労災保険の療養補償給付と休業補償給付を請求したところ、労災保険法上の労働者ではないので、支給しない旨の処分を受けた。そのため、その処分の取り消しを求めて争った事件。
 一審判決は、労災保険法の労働者の判断について、昭和60年12月19日付け労働基準法研究会報告「労働基準法の「労働者」の判断基準について」及び平成8年同研究会が労働契約法制部会労働者性検討専門部会による「建設業手間請け従業者についての労働者性の判断基準に関する報告」によって検討し、その結果、「原告がB木材の指揮命令を受けておらず、労働者性を認めることはできない」と判示した。
 二審判決も「控訴人ら内装大工は、自らの能力に応じて仕事の段取りを工夫し、短い日数で多くの報酬を得ることができ、さらに、報酬の配分についても仲間内で取り決めることが可能であったことが明らかである」として、「使用従属関係と労務提供に対する賃金の支払い関係のいずれについても、その存在を肯定することできず」として労働者性を否定した。
 本件最高判決も「上告人が職長の業務を行い、職長手当の支払を別途受けることとされていたその他所論の指摘する事実を考慮しても、上記の判断が左右されるものではない」として上告を棄却した。

 ●判決要旨
  
 上告人は、B木材からの求めに応じて上記工事に従事していたものであるが、仕事の内容について、仕上がりの画一性、均質性が求められることから、B木材から寸法、仕様等につきある程度細やかな指示を受けていたものの、具体的な工法や作業手順を選択することができた。
 上告人は、作業の安全確保や近隣住民に対する騒音、振動等への配慮から所定の作業時間に従って作業することを求められていたものの、事前にB木材の現場監督に連絡すれば、工期に遅れない限り、仕事を休んだり、所定の時刻より後に作業を開始したり所定の時刻前に作業を切り上げたりすることも自由であった。
  
 B木材と上告人の報酬の取り決めは、完全な出来高払いの方式が中心とされ、日当を支払う方式は、出来高払いの方式による仕事がないときに数日単位の仕事をするような場合に用いられていた。前記工事における出来高払いの方式による報酬について、上告人ら内装大工はB木材から提示された報酬の単価につき協議し、その額に同意した者が工事に従事することとなっていた。上告人は、いずれの方式の場合も、請求書によって報酬の請求をしていた。上告人の報酬は、B木材に従業員の給与よりも相当高額であった。
 上告人は、一般的に必要な大工道具一式を自ら所有し、これらを現場に持ち込んで使用しており、上告人がB木材の所有する工具を借りて使用していたのは、当該工事においてのみ使用する特殊な工具が必要な場合に限られていた。
 

 庭の「目薬の木」の紅葉

夜明け、道路予定地、整理され、残ったケヤキが淋しそう。

 

 上告人は、B木材の依頼により、職長会議に出席してその決定事項や連絡事項を他の大工に伝達するなどの職長の業務を行い、職長手当の支払いを別途受けることとされていたが、上記業務は、B木材の現場監督が不在の場合の代理として、B木材から上告人ら大工に対する指示を取り次いで調整を行うことを主な内容とするものであり、大工仲間の取りまとめ役や未熟な大工への指導を行うという役割を期待して上告人に依頼されたものであった。
 
 以上によれば、上告人は、前記工事に従事するに当たり、C工務店はもとより、B木材の指揮監督の下に労務を提供していたものと評価することはできず、B木材から上告人に支払われた報酬は、仕事の完成に対して支払われたものであって、労務の提供を対価として支払われたものとみることは困難であり、上告人の自己使用の道具の持込み使用状況、B木材に対する専属制の程度等に照らしても、上告人は労働基準法上の労働者に該当せず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しないものというべきである。上告人が職長の業務を行い、職長手当の支払いを別途受け取ることとされていたことその他所論の指摘する事実を考慮しても、上記の判断が左右されるものではない。
 以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。

 酒気帯び運転で懲戒解雇有効
 ヤマト運輸事件(平19.8.27)
 ●事件のあらまし
 
セールスドライバーとして勤務していた原告は、業務終了後、飲酒により自家用車を運転していて、酒気帯び運転で検挙され、運転免許停止30日(講習受講により1日に短縮)、罰金20万円に処せられた。被告のマネージ社員就業規則第43条では、業務内、業務外を問わず飲酒運転及び酒気帯び運転をしたときは解雇する旨定められていた。さらに、退職金支給規定では、第6条で「懲戒解雇の場合は、就業規則第41条第7号に基づき退職手当を支給しない。ただし、事情によりその全額または一部を支給することがある」と定められていた。しかし、その後、緊急通達により「酒気帯び運転等の事後発覚は情状の処置が行われない」とする扱いを定めた。
 原告は、退職金は功労報償的性格も有するが、基本的な性格は賃金の後払いであり、不支給とするには労働者のそれまでの継続の功を抹消するほどの信義に反する行為でなければならず、酒気帯び運転は私的運転であり、懲戒解雇に該当せず、退職金の不支給にも当らないと主張した。
 判決は「原告は、大手運送業者の被告に長年にわたり勤続するセールスドライバーでありながら、業務終了後の飲酒により自家用車を運転中、酒気帯び運転で検挙されたこと…などからすると、その情状はよいとはいえず…懲戒解雇はやむを得ない」としたものの、退職金の不支給に関しては「長年の勤続の功労を全く失わせる程度の著しい背信的な事由とまでいえない」として、退職金の受給権を「原告が受給し得たはずの962万185円の3分の1である320万円を下ることはない」と判示した。
 

 ツタの紅葉。真赤です!

カラマツ街道!もうすぐ雪が?

 

 ●判決要旨
 従業員の職場外でされた行為であっても、企業秩序に直接の関連を有するものであれば、規則の対象となり得ることは明らかであるし、また、企業は社会において活動するうえで、その社会的評価の低下毀損は、企業の円滑な運営に支障をきたすおそれが強いので、その評価の低下毀損につながるおそれがあると客観的に認められる行為については、職場外でされたものであっても、なお広く企業秩序の維持確保のために、これを規制の対象とすることが許される場合もあるといえる(参照、最高裁昭和45年(オ)第1196号同49年2月28日第1小法廷判決・民集28巻1号66頁)。これを本件についてみるに、前記のように、被告が大手の貨物自動車運送業者であり、原告が被告のセールスドライバーであったことからすれば、被告は、交通事故の防止に努力し、事故につながりやすい飲酒・酒気帯び運転等の違反行為に対しては厳正に対処すべきことが求められる立場にあるといえる。したがって、このような違反行為があれば、社会から厳しい批判を受け、これが直ちに被告の社会的評価の低下に結びつき、企業の円滑な運営に支障をきたすおそれがあり、これは事故を発生させたり報道された場合、行為の反復継続等の場合に限らないといえる。このような被告の立場からすれば、所属のドライバーにつき、業務の内外を問うことなく、飲酒・酒気帯び運転に対して、懲戒解雇という最も重い処分をもって臨むという被告の就業規則の規定は、被告が社会において率先して交通事故の防止に努力するという企業姿勢を示すために必要なものとして肯定され得るものということができる。
 
 退職金は、賃金の後払いとしての性格を有し、企業が諸々の必要性から、一方的、恣意的に退職金請求権を剥奪したりすることはできない。このような見地からは、上記の退職金不支給とする定めは、退職する従業員に長年の継続の功労を全く失わせる程度の著しい背信的な事由が存在する場合に限り、退職金が支給されないとする趣旨と解すべきであり、その限度において適法というべきである。これを本件についてみると、原告は、大手運送業者の被告に長年にわたり勤続するセールスドライバーでありながら、業務終了後の飲酒により自家用車を運転中、酒気帯び運転で検挙されたこと、この行為は、平成17年4月当時は一審の口頭弁論終結時ほどは飲酒運転に対する社会の目が厳しくなかったとはいえ、なお社会から厳しい評価を受けるものであったこと、原告は処分をおそれて検挙の事実を直ちに報告しなかったこと、その挙げ句、検挙の4ヵ月半後の9月5日、運転記録証明の取得により原告の酒気帯び運転事実が発覚したことなどからすると、その情状はよいとはいえず、懲戒解雇はやむを得ないというべきである。
 しかしながら、他方、原告は他に懲戒処分を受けた経歴はうかがわれないこと、この時も酒気帯び運転の罪で罰金刑を受けたのみで、事故は起こしていないこと、反省文等から反省の様子も看てとれないわけではないことなどを考慮すると、原告の行為は、長年の功労を全く失わせる程度の著しい背信的な事由とまではいえないというべきである。したがって、就業規則の規定にかかわらず、原告は退職金請求権の一部を失わないと解される。

 そこで原告に支給されるべき退職金の額であるが、退職金が、功労報酬的な性格と賃金の後払いとしての性格を併有すること、被告の退職金規定においても同様であること、その他上記で検討した点や原告の継続期間その他いっさいの事情を考慮すると、少なくとも原告が受給し得たはずの962万0185円の約3分の1である320万円を下ることはないというべきである。
 なお、この金額は、労働審判において審判委員会が支払を命じた金額より多いが、調停の成立による解決を優先する労働審判と、本件訴訟における判断とは事情を異にするというべきである。
 

   山全体が紅葉 
 ただ、ただ、見とれるだけ

  塩原温泉近くの雑木林

 

 体調不良者を研修に参加させたのは違法
 NTT東日本事件(平18.7.20)
 事件のあらまし
 研修中に自宅に帰り、墓参りにでかけたところ墓の前で死亡していたのが発見された社員の遺族が、社員の急性心筋虚血で死亡したのは、会社が安全配慮義務に違反して時間外労働をさせ、宿泊をともなう研修に参加させることが原因だとして、不法行為又は債務不履行による損害賠償を請求した事件。
 一審は、原告らの請求を認容して、逸失利益3086万余円、慰謝料2800万円、葬儀費用141万円、弁護士費用600万円の支払いを命じたため、会社側が控訴した。
 二審の本判決では「Aの本件リストラ計画に伴う雇用形態・待遇体系の選択の際の精神的ストレス、本件研修参加に伴う精神的、身体的ストレスがAの冠状動脈の状態を自然の経過を超えて増悪させ、心筋梗塞などの冠状動脈疾患等が発症したことによる急性心筋虚血により死亡したとみるのが相当であり、このことは本件研修の約4カ月前からAが不整脈や体調の不良を医師や被控訴人に訴えており、研修期間中も睡眠不足等の不具合を訴えていたことなどの事情もあったことからも裏付けられる」として因果関係を認めた。
 さらに、健康管理医と職場の上長が「漫然と、Aが本件研修に耐えられる状態にあると判断し、Aの本件研修への参加を決定したのであるから…業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の健康を損なうことがないように注意する義務に違反した過失があるということができる」として過失を認め、逸失利益として3086万4211円と慰謝料2800万円、弁護士費用600万円などの支払いを命じた。
 なお、控訴人が、新たに過失相殺の主張をしたことに対しては「原審において、裁判所からの求釈明に応じて過失相殺の主張をしない旨答えていたことが認められるところ、当審において、控訴人が上記主張をすることは著しく信義に反する」として認めなかった。

 判決要旨
 Aの本件リストラ計画に伴う雇用形態・処遇体系の選択の際の精神的ストレス、本件研修参加に伴う精神的、身体的ストレスがAの冠状動脈の状態を自然の経過を超えて増悪させ、心筋梗塞などの冠状動脈疾患等が発症したことによる急性心筋虚血により死亡したとみるのが相当であり、このことは本件研修の約4か月前からAが不整脈や体調の不良を医師や被控訴人に対して具体的に訴えており、研修期間中も睡眠不足等の不具合を訴えていたなどの事情もあったことからも裏付けられる。したがって、Aの死亡の原因となった急性心筋虚血の発症と控訴人がAに対し、本件リストラ計画に伴って雇用形態・処遇体系の選択を迫り、60歳満了型を選択したAに本件研修に参加させたこととの間に相当因果関係が存在するというべきである。
 精神的ストレスは虚血性心疾患のリスクを増大させるものであり、このことは産業医が認識し、または認識し得たものであるところ、心疾患の症状が平成5年の手術後は比較的に安定したといはいえ、高脂血症を合併する陳旧性心筋梗塞で「要注意(C)」に指定されたAを本件研修(本件研修は、Aがこれまで担当してきた業務とは全く異なる内容のものであり、平成14年4月24日から同年6月30日までの2カ月以上にわたって、Aの自宅のある旭川から離れて、札幌及び東京で宿泊を伴うものであり、その際の宿泊場所として、そのほとんどを2人ないし4人部屋で過ごすことにあることは、当然被控訴人において予め分かっていた事柄である。)過度の精神的、身体的ストレスを与えることが十分予測できたというべきである。
 
 健康管理医と職場の上長であるB課長は協議のうえ、前年における医師との面談等で特別問題がなかったこと、毎月の保健師による職場巡回の際に、Aから症状の悪化体調不良等の訴えがなく、職場の上司との話し合いのなかでも特別な事情がでてこなかったことから、控訴人は、漫然と、Aが本件研修に耐えられる状態にあると判断し、Aの本件研修への参加を決定したのであって、その結果、Aが急性心筋虚血によって死亡するに至ったのであるから、控訴人の担当者には、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の健康を損なうことがないように注意する義務に違反した過失があるということができる。
 Aは、少なくとも被控訴人らが本件で請求している620万3288円の限度で年収があったものと推認するのが相当である。生活費控除割合については、Aが一家の支柱であったことから30%とし、67歳までの9年間就労可能であったと考えられるから、9年に相当する年5%の割合によるライプニッツ係数(7.1078)により中間利息を控除して逸失利益の減価を算出するのが相当である。
 そうするとAに生じた逸失利益の現価は、次ぎの計算式のとおり、3086万円4211円となる。
 (計算式)6203288×(1−0.3)×7.1078=30864211
 本件記録によれば、控訴人は、原審において、裁判所からの求釈明に応じて過失相殺の主張をしない旨答えていたことが認められるところ、当審において、控訴人が上記主張をすることは著しく信義に反するものであり、また、第一審の軽視にもつながるものである。したがって、当裁判所は、訴訟上の信義則に反するものとして、控訴人が上記主張をすることを許さない。また、上記経緯に照らすと、控訴人の主張がないのに過失相殺規定の類推適用をすることも相当ではないと判断する。
 

 林道で遠近感が上手く映った!

 もみじの紅葉 真下から

 

 飲酒に伴う会合に出席後の事故死でも通災
 中央労基署長事件(平19・3・28 東京地裁)
 事件のあらまし
 勤務時間外である午後5時以降に、社内で飲酒を伴う会合に出席し、午後10時15分頃退社した事務管理次長が、午後10時27分頃、地下鉄駅の階段から転落して後頭部を打撲して負傷。病院に搬送されたものの頭蓋骨損傷により死亡した。被災労働者の妻は、この死亡事故が通勤災害であるとして労基署長に療養給付及び遺族給付、葬祭給付を請求したが、労基署長は支給しない旨の決定をした。妻はこれを不満として、労災保険審査官に審査請求したが、これも棄却され、さらに労働保険審査会もこれを棄却したため、本件提訴に及んだもの。
 判決は、飲酒を伴う会合に関して「事務部次長として事務管理部を実質上統括していたものであり、部長から6階の本件会合で部員等から意見及び要望等を聴取して、これに対応することを命じられて毎回出席し、ほぼ開始時から終了時まで参加していたのであるから、一般には本会合への参加が任意であるとしても、少なくともAにとって、本件会合の出席は、これを主催する事務管理部の実質上の統括者としての職務に当たるというべきである」として職務と認め、「通勤に伴う危険により生じたものには当たらないということはできない」として不支給処分を取り消した。

 判決要旨
 本件会合は、月1回開かれる主任会議の終了後、事務管理部の主催により、東京支店の5階及び6階で開催され、6階の本件会合には事務管理部の部員を中心に毎回7ないし8人が出席し、その費用は一般管理会議費としてB社が負担していたもので、そこで懇談される内容も、業務上の問題点、不平不満、トラブルの対応策、業務の改善案、他部門に対する苦情等業務に関するものであって、このようなことからすると、本件会合は、業務の円滑な遂行を確保することを目的とするものというべきであり、これが相応の成果を挙げていたことは、伝票の書き方等の業務処理について重複する業務を廃止されたり整理されたりしたほか、C課長が月初めの各営業所のエリアミーティングに出席するようになった経緯を明らかにして苦情を解消するなどしたことなどの例からもあきらかである。また、本件会合が酒類の提供を伴うものであるにしても、それは、忌憚のない意見を交換するためであると解され、また、業務外の話題に及ぶことがあったとしても、それは短時間の私的会話の域をでないものと解されるから、これらの事情が、上記目的の妨げとなるものではない。

 Aは事務管理次長として事務管理部を実質上統括していたものであり、部長から6階の本件会合で部員等から意見及び要望等を聴取して、これに対応することを命じられて毎回出席し、ほぼ開始時から終了時まで参加していたのであるから、一般には本件会合への参加が任意であるとしても、少なくともAにとって、本件会合への出席は、これを主催する事務管理部の実質上の統括者としての職務に当たるというべきである。

 東京支店の従業員の中には、本件会合を「御苦労さん会」と称する者もいたことが認められるが、本件会合は酒類の提供を伴うものであって、慰労、懇親の趣旨も含まれていることは否定できないにしても、前述のような本件会合の趣旨に照らすと、これが主として懇親等のための会であるとはいえず、そのような呼称から直ちに本件会合への出席が業務に当たらないとすることはできない。
 また、本件会合への出席が労働時間に含まれていない場合であったとしても、Aを含めて副長以上の職員に対しては、時間外手当が支給されず、また、その他の職員に関しても、当時のB社の取り扱いでは30時間までの支給に制限されていたのであるから、そのまま申告する意義に乏しいものであった以上、そのようなことがあったからといって、これを理由に本件会合の業務性を否定することはできない。

 本件会合は、定期的に開催されているところ、これが業務としての性格を有するものと解されることは前記のとおりであって、本件事故当日に開催された本件会合においも、Aは、本件配置換えについて部員に不満及び不安があったのに対し、本件配置換えが決まった経緯等について資料を使用して説明するなどして説得に努め、これについて一応納得させるなど、本件会合の趣旨に従った業務に当たっていたことが明らかである。

 Aは、飲食後帰途についているが、その飲酒量や、飲酒後の経過時間にかんがみ、また、当日は降雨があったため足元が滑りやすい状態であったことからすると、飲酒の影響で本件事故が生じたとまで認めることはできないから、本件事故が通勤に伴う危険により生じたものには当たらないということはできない。
 以上によれば、本件事故が通勤災害であることを否定した本件処分は違法であるから、取消しを免れない。

 

    紅葉の七色変化

【2008年9月】
08.10.5. 読売新聞 悪性リンパ腫 原発労災 厚労省 被爆との因果関係認定へ
 原子力発電所で働いた後、悪性リンパ腫で死亡した男性について、厚生労働省の検討会は原発での被爆との因果関係を認める方針を固めた。これを受け、厚労省は近く、この男性の労災を認定する見通し。原発労働者の労災認定は、白血病や多発性骨髄腫で認められたケースはあるが、悪性リンパ腫では初めて。
 この男性は、2005年3月に悪性リンパ腫で亡くなった沖縄県うるま市の喜友名正さん(当時53歳)。
 喜友名さんは1997年から04年まで全国各地の原発で検査業務に従事していたことから、05年10月、遺族が大阪市の淀川労働基準監督署に労災申請した。しかし、労災認定基準の対象疾患に悪性リンパ腫が含まれていないことを理由に申請が認められなかったため、大阪労働局に不服を申し立てていた。
 これについて、厚労省は「慎重に検討する必要がある」と判断し、昨年秋から本省の検討会で協議を重ねていた。
 

 Fさんが釣ってきたアユの塩焼き 一人で2匹も食べた人がいた。

【2008年9月】
08.9.25. 読売新聞 教諭自殺「公務上の災害」

秋空、イワシ雲、澄みきってますねぇ〜!

 

 千葉市立中学校の男性教諭(当時50歳)が2006年9月に自殺した問題で、地方公務員災害補償基金千葉県支部が自殺を「公務上の災害」と認定していたことが24日、分かった。代理人の弁護士が明らかにした。
 教諭は06年9月6日、千葉市緑区の高架橋から飛び降り、死亡した。教諭の妻から自殺の原因調査を依頼された千葉市教委は06年12月、「当時の男性校長が恒常的な叱責をくりかえし、これが精神疾患発症の一要因となった」などとする調査結果をまとめた。

08.9.17. 下野新聞 救命中の事故死は労災 「運転業務上、当然の行為」 
                        名古屋地裁
 岐阜県大垣市の国道でトレーラーの運転中に交通事故の現場に出くわし、救命作業中に後続車に追突され死亡した古橋清弘さん=当時(33)=に労災が適用されないのは不当として、岐阜県各務原市の妻美穂さん(44)が遺族補償年金などの不支給処分の取り消しを国に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は16日、労災と認定し、不支給処分を取り消した。
 判決理由で遠藤俊郎裁判官は「事故車の同乗者からの要請を受けての救助行為は、長時間の自動車運転を行う労働者が業務の上で当然なすことが予想される行為」として業務遂行中の災害であることを認定。国側は事故に遭ったのは救助行為の時ではなく、通行の邪魔になる事故車両を移動させていた時で、このような復旧行為は業務に付随すると評価できないと主張したが、判決は「復旧行為も救出に継続した行為だ」として退けた。
 

 美しい実ですね! 何の実ですかね!?

 08.9.14. 派遣の労災 3年で18倍 急増 70人、うち8割が製造業
       法改正で従事増 背景に

 山栗 イガがきれいです。

 

 県内の派遣労働者の労働災害が大幅に増えていることが13日までに栃木労働局の調査で明らかになった。2007年は過去最高の70人で、わずか3年で18倍に急増した。法改正で製造業の派遣労働者が増えたことが背景にあり、経験の浅い労働者が機械に挟まれたり、巻き込まれたりする事故が多発。慣れない職場で働く雇用形態の弊害が浮き彫りになった。(加藤覚)
 県内の派遣労働者の労働災害(休業4日以上のけが)の人数は04年は4人。05年は19人、06年は52人と右肩上がりに増え、昨年1年間は72人に上った。
 急増の要因は04年3月の改正労働者派遣法の施行。製造業への派遣が可能になり、これによって製造業に従事する派遣労働者が増加したとみられる。
 07年の状況を見ると、派遣労働者の労災のうち、製造業が全産業の約8割を占めた。特に金属製品製造、輸送用機械製造、化学工業の業種で目立った。
 勤務経験年数では「1カ月以上、3カ月未満」が20人と最多で、年齢は20〜30代が半数を占めた。
 災害の程度(休業日数)も「2週間以上」が約7割を占め、比較的長期の休業を要する重い災害が多かった。死亡者はなかった。
 正社員を含む07年の県内全体の労災人数は1909人で、ここ数年間は横ばい傾向。このうち製造業の労災は約3割だが、派遣は製造業が約8割を占め、極端な傾向を示した。
 また派遣元の人材派遣会社が、派遣先に迷惑を懸けないよう、労働者がけがをしても派遣先に報告しないケースもあり「労災隠しが起こりやすい実態がある」(同労働局)という。
 同労働局安全衛生課は「雇入れ時の安全衛生教育を徹底させるほか、派遣先においても機械設備の安全確保を重点的に指導していく」としている。

 

【2008年8月】
08.8.11 労働基準広報 自殺と上司の執拗な叱責との因果関係認める
      松山地裁・過労自殺で前田道路に3100万円の賠償命令
 大手道路工事会社「前田道路株式会社」(本社・東京都品川区/岡部正嗣代表取締役社長)に勤務していた男性管理職(当時43歳)が自殺したのは、上司の叱責などが原因だとして、遺族が同社に慰謝料など約1億4500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、松山地方裁判所は7月1日、上司の叱責等と男性の自殺との因果関係を認め、同社に約3100万円の支払いを命じた。
 判決によると、男性は、平成15年4月に東予営業所(愛媛県西条市)の営業所長に就任し、その1カ月後から、営業所の事業成績を四国支店(香川県高松市)に報告する際に現実の数値とは異なる数値を報告するよう部下に指示した。その後、この自らの営業成績を仮装するために行った不正経理の是正のため、男性は16年7月から、上司による度重なる叱責・注意などを受けていた。
 そして、同年9月13日、男性は、「おこられるのも、言い訳するのも、つかれました」などと書いた遺書を残して営業所内で首つり自殺をした。
 高橋正裁判長は、不正経理の責任を追及された業績検討会の3日後に自殺し、遅くともその直前に「うつ病」に罹患していたことなどから、上司による叱責・注意と男性の死亡との間の相当因果関係を認めた。そして、男性の上司が「会社を辞めれば済むと思っているかもしれないが、辞めても楽にならない」などと何度も厳しく叱責したことなどは、「過剰なノルマ達成の強要あるいは執拗な叱責として違法」であり、「債務不履行」(安全配慮義務違反)も認められる」とした。また、男性の上司は、叱責等の時点で、男性が心理的負担から自殺に至ることを予見可能であったと認定した。
 しかし、その一方で、上司による叱責等は、男性の不正経理が原因になっていたことや、上司に隠匿していた不正経理が「うつ病」の発症に影響を及ぼしたことを推認できることなどから、男性の過失割合は6割を下回らないと判断している。
 遺族側代理人の水野幹男弁護士は、「不正経理とは言っても、売上高の過剰計上、原価の付け替えなどであり、被災者は何の利益も得ていないし、会社も何の損害も受けていない。むしろ『売上高の架空計上』が判明した以降の上司の対応こそが問題であり、「うつ病」を発症・増悪させ損害を拡大したと言える」と話している。
 遺族側は、過失相殺等の点から控訴する方針。一方、前田道路側も「控訴して争う」(広報課)としている。
 なお、男性の自殺は、17年10月27日、愛媛・新居浜労働基準監督署長に業務上災害と認定されている。
 

    急カーブ注意!!

【2008年7月】
 08.7.18 読売新聞 契約店長の過労死認定 すかいらーく 月80時間残業で年収200万

    山 百 合

 

 ファミリーレストラン大手「すかいらーく」の契約店長だった埼玉県加須市の前沢隆之さん(当時32歳)が昨年10月に脳出血で死亡したのは、長時間労働による過労が原因だったとして、埼玉・春日部労働基準監督署が6月に労災認定していたことが分かった。遺族が17日に記者会見して明らかにした。労働問題に詳しい弁護士は「非正社員の過労死は聞いたことがない」としている。
 会見した遺族と支援した労働組合スタッフによると、前沢さんは2006年3月すかいらーく栗橋店(埼玉県栗橋町)で1年ごとに契約を更新する契約店長となった。人手不足を補うため、店長になってから残業時間が増えたという。
 同労基署からは、「過労死ライン」とされる月80時間を超える残業があったと認定した、との説明を受けたという。しかし年収は200万円程度。日本労働弁護団の棗一郎弁護士は「企業の労務管理任せでは限界があり、法律の罰則を強めるなど対策が必要」と語る。
 すかいらーく広報室は「労災認定された事実が確認できておらず、コメントできない」としている。

【2008年6月】
08.6.20 下野新聞 海外出張の自殺 労災認定 「過重労働でうつ発症」
 県南の日用品製造会社に勤務していた40代の男性会社員が2006年秋、出張先の米国で自殺したのは過重労働やストレスでうつ病を発症したのが原因だったなどとして、栃木労働基準監督署が3月に労災認定していたことが、19日までに分かった。厚生労働省や栃木労働局によると、海外出張中の自殺で労災認定が下されるケースは全国的に少なく、本県でも初めてとみられる。(茂木信幸)
              ◇
 県央の遺族や関係者によると、会社員は勤務先で新商品の開発や品質管理を担当していた。
 米国の工場新設や商品製造に伴い、06年夏に渡米し約1カ月半勤務。帰国して約1カ月後再び米国へ出張し、3日後にマンション自室で自殺した。
 遺族らによると、会社員は帰国後、連日のように午前1時、2時ごろ会社から帰宅。「昨晩、うなされてなかったか」と家人に尋ねることもあった。再出張の直後には「商品性能などをめぐり現地でトラブルになっている」と深夜に電話で家族に伝え、かなり落ち込んでいる様子だったという。
 遺族は07年5月、栃木労基署に労災申請。同労基署は遺族や会社の同僚らから聞き取り調査を進めた結果、2度目の米国出張時に過重労働や商品に関する深刻なトラブルなど業務上の負荷で急激にうつ病を発症、自殺に至ったと認定した。会社側も時差のある現地との対応について十分な支援や指導を行わなかった、とされる。
 会社員の妻は「労基署の調査に、会社側も積極的に協力してくれたことが今回の認定に結びついたと思う。過労自殺の労災認定が全国的に増えているが、企業は従業員が自殺することのない職場環境づくりやメンタルヘルスに取り組んでほしい」と訴えている。
 国内の自殺者が10年連続で30.000人を超える中、過労が原因でうつ病などの精神疾患にかかり自殺した会社員らの労災認定件数は07年度81人に上り、県内も5人と過去最多だった。
 過労自殺問題に詳しい川人博弁護士(東京弁護士会)は「自殺者の増加を反映したもので、10年前なら労基署が認定しなかったケースだろう。外国勤務は心理的な負荷が高い。企業の海外進出が急増する中、勤務者への十分な健康管理対策は雇用主の責務だ」とコメントしている。
 

キャンプ場から恒例のシーン

08.6.7  『ご注意・夏場の熱中症』 特別企画 熱中症予防対策の決め手
   作業計画を十分に検討しこまめな職場巡視を心がけよう

    山は緑!空は青!
 熱中症には気をつけよう!!

 

 昨年の夏は、国内の最高気温が70数年ぶりに塗り替えられるなど、連日の猛暑が話題になった。たとえ炎天下であっても屋外作業に従事しなければならない建設業では、夏の暑さは熱中症に直結し、貴重な生命が失われることにもなりかねない。そこで本稿では、現場でできる基本的な熱中症予防対策を紹介する。
 うだるような暑さが続いた平成19年8月、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で最高気温40.9度を記録し、最高気温の日本記録が70数年ぶりに塗り替えられた。連日の猛暑は熱中症の多発を招き、体力の弱い高齢者が就寝中に熱中症にかかったことが社会問題のように取り上げられたことを記憶している方もいるだろう。
 財団法人気象業務支援センターの村山貢司氏の報告によると、全国的に30度以上を記録した時間がだんだん増えており、たとえば東京では20年前には年間200時間程度だったものが、最近では年間400時間に達しようとしているとのことである。
 これも地球温暖化の影響だといえるかもしれないが、建設業では炎天下の屋外作業が避けられない場面も多く、夏の作業を一層危険なものにしている。効果的な熱中症対策が欠かせないといえよう。
 「熱中症」とは
 熱中症とは、高温・高湿の環境で起こる病気で、症状によって「熱虚脱」「熱疲はい」「熱けいれん」「熱射病(日射病)」に分けることができる。
 これらの共通した症状として、「めまい」「頭痛」「吐き気」などがある。真夏の炎天下での作業中に、このような症状が見られた場合には、たとえ症状が軽いと思われる場合であっても、まずは熱中症を疑ってみることが肝要だ。
 ○熱射病(日射病)
 熱中症の中では最も死に至る危険性が高く、緊急の治療が必要になる。発汗が止まり、熱く乾いた皮膚になり、体温は通常41℃をこえ、42℃以上に達することも少なくない。また、意識が乱れたり、昏睡状態に陥ったりする。
 ○熱けいれん
 手足や腹部の筋肉が痛みをともなって発作的にけいれんを起こす。大量に発汗したときに塩分を取らずに水やお茶しか飲まなかったことが原因とされている。
 ○熱虚脱
 皮膚から放熱を促すために血管が拡張して血流が多くなり、脳への血流が少なくなることが原因で起こる。典型的な症状としては、血圧の低下、めまい、頭痛、吐き気、だるさなどがある。
 ○熱疲はい
 大量に汗をかくことで血流が濃縮することによって起こる。典型的な症状としては、激しいのどの渇き、尿量の減少、めまい、手足のしびれ、歩行困難といった症状がある。
 死亡災害発生状況
 厚生労働省がまとめた「熱中症による死亡災害発生状況(平成19年分)」によると、平成19年の熱中症による死亡者数は18人(前年比1人増)であった。
 これを業種別にみると、建設業が18人中10人と5割以上を占めている。建設業が大半を占める傾向に過去10年間大きな変化はなく、熱中症の予防対策は建設業の安全衛生対策における重要な課題のひとつであることが分かる。
 さらに月別被災状況をみると、18件中11件が8月に発生している。しかし、梅雨の影響で湿度が高いことに加えて、暑さに体が馴れていない6月7月、残暑が厳しい9月にも熱中症発生の危険性は十分にあり、6月から9月にかけてが特に注意が必要な期間だ。
 また、時間帯別発生状況では、例年、午後2時から午後4時台に多発しているが、19年には午後5時台にも多発した。
 現場でできる予防対策
 熱中症は、学校のクラブ活動の際にも発生しており、職場の安全衛生対策のなかでは、とかく軽く見られがちな傾向もある。
 しかし、いったん、発症した場合、急激に症状が悪化することも珍しくなく、十分な治療をしなければ死に至ることもある。とは言え、熱中症は適切な対策をとれば、必ず防ぐことができる病気であり、事業者としては、未然防止のための有効な対策を講じる義務があるといって良いだろう。
 以下、現場でできる熱中症予防対策を紹介する。
 ○作業前の対策
 まずは、作業当日の天気予報によって、天候と予想最高気温を確認する。そして、作業所には温度や湿度の変化がわかるように、温度計や湿度計を備え付けておく。
 別掲のとおり、最近ではWBGTの測定が推奨されているが、環境省の「熱中症予防情報サイト」(http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/idex.html)では、全国のWBGTの予測値をまとめて掲載しているので、有効に活用したい。
 こうした情報をもとに、当日の作業内容を見直して、以下のような対応を検討してみてほしい。
 @ 他の季節に比べて十分な休憩時間を確保するとともに、直近の1週間程度の天候も勘案して、作業内容や休憩時間を見直す。
 A 人力による掘削作業等エネルギー消費量の多い作業や連続作業はできるだけ少なくする。
 B 万一、熱中症にかかった場合のことを考えて、一人作業をできる限り避けるような人員配置を検討する。
 休憩所などに備え付けておく水分については、「0.1%〜0.2%の食塩水が理想的だ」とされているが、作業所ごとにこうした食塩水を用意するのは手間がかかる。現実的な対応としては、必要な塩分(ナトリウム)が含まれている市販のスポーツドリンクを準備しておくということになるだろう。
 作業の内容によっては、休憩所から離れた場所で作業を行うこともあるが、こうした場合には、あらかじめクーラーボックスを用意して、スポーツドリンク等を準備しておくようにしたい。さらに高所作業時のように、クーラーボックスを持っていくことができないような場合には、携帯用のボトルが市販されているので、必要に応じて活用を検討してみてほしい。
 ○作業中の対策
 あらかじめ用意しておいた温度計、湿度計を活用して、定期的に温度と湿度(WBGTが理想的)の変化をチェックするとともに、管理監督者としてはこまめな職場巡視を心がけてほしい。特に数日に渡って猛暑が続くようであれば、こまめに声掛けをすることで作業員の変化を把握するようにしたい。
 また、水分の補給については「のどの渇き」を感じる前に補給するのが大切なので、「一定時間ごとに水分を補給する」というルールづくりも大切だろう。
 ○日常の健康管理
 管理監督者としては直近の健康診断結果に基づいた作業員の配置を心がけるのが大切だが、日常的な対策としては、始業時の健康状態の確認がある。特に注意が必要なのはアルコールの飲み過ぎだ。アルコールは体を脱水状態にする性質をもっているので、前日に飲みすぎたような場合には、始業時にすでに熱中症にかかりやすい体の状態になっていることにあるからである。
 ○熱中症が起きた場合には
 十分な対策を取っていても、不幸にして熱中症が発生してしまうこともあるので、万一の場合の備えも必要だ。
 特に迅速な対応が必要なのは熱射病で、体を冷やしながら、一刻も早く病院へ搬送する必要がある。現場での対応としては「いかに早く体温を下げるか」が大切で、体に水をかけたり、濡れタオルを当てて風を送ったり、首やわきの下、足の付け根など太い血管のある部分を冷やすと効果があるとされている。
 また、作業所には「緊急時連絡表」を必ず備え、最寄りの病院、消防署、労働基準監督署、警察の連絡先を把握しておく必要がある。
 ○熱中症の知識を伝える
 熱中症に対する正しい認識を持ってもらうためには、労働衛生教育の充実が欠かせない。労働衛生教育で取り上げる事項としては、「熱中症の症状」、「熱中症の予防方法」、「緊急時の救急措置」、「熱中症の事例」などがある。
 労働衛生教育に必要なデータや事例などは、厚生労働省(都道府県労働局)や前述の環境省などのホームページに掲載されているのでアクセスしてみてほしい。
 最後に、(財)日本体育協会では、熱中症を予防するための原則を「熱中症予防8か条」としてまとめているが、現場の状況に応じて改変することで、こうした標語も教育に活用できる。
 本当の「暑さ」を知るためにはWBGTの測定が必要
 気温はさほど高くないが、湿度はとても高い―――。
 梅雨明け間近の時期には、こうした天候の中で作業に従事することも珍しくないが、災害事例をみると、暑さに体がなれていない、こうした時期にも熱中症による死亡災害は起きている。
 熱中症は気温が上昇するにしたがって発症の可能性が高くなるが、発症するリスクを正しく評価するには、気温の高さに着目するだけでは不十分。湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮して、総合的に「暑さ」を評価する必要があるとされている。
 WBGT(湿球黒球温度)は、こうした温熱環境の諸要素を総合した指標であり、(財)日本体育協会がまとめた「熱中症予防のための運動指針」や厚生労働省の通達(平成17年7月29日、基安発第0729001号)でも、熱中症の予防のためにWBGTの積極的な活用を求めている。
 WBGTは、湿球温度、乾球温度、黒球温度を測定して、下記の計算式によって求めることができる。
 屋外のWBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
 屋内のWBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
 しかし、現場でWBGTをいちいち計算するのは手間がかかる。最近ではWBGTの値を自動的に計算することができる携帯用のWBGT計が市販され、広く使われるようになってきている。こうした最新の機器を活用してWBGTを測定することで、本当の「暑さ」を把握することができる。
 測定したWBGTの値が、作業内容に応じて設定されたWBGT基準値(℃)を超える場合には、熱中症が発生するリスクが高まると考えられる。
 建設業の場合WBGT基準値は26℃(気流を感じない場合は25℃)が目安になる。暑さに慣れていない場合は、この値よりも厳しく、23℃(気流を感じない場合は22℃)が基準値となる。なお、基準値は、健康な成年男性を想定しているので、高年齢労働者の場合は更なる配慮が必要になる。

08.6.3 労働基準広報 原油高・円高が7割超の企業の収益を圧迫
    厚労省・緊急ヒアリング結果まとめる

 厚生労働省は、最近の原油等資源価格の高騰や円高等による事業活動や雇用面へのヒアリング結果をとりまとめた。これによると、原油等資源価格高騰、円高等の影響が、「収益をやや圧迫している」あるいは「収益を大きく圧迫している」とする事業所は74.1%で、業種別では運輸業の88.0%が収益を圧迫していると回答している。
 緊急ヒアリングは、今年4月初旬から中旬にかけ、全国の公共職業安定所において、製造業、運輸業及び卸売・小売業の中小企業(従業員数300人未満)4424社を対象に実施されたもの。
 これによると、3か月前と比較した現在の業況については、全体の49.3%が「多少悪い」あるいは「悪い」と回答している。
 企業規模別では、従業員数29人以下で52.3%、30〜99人以下で48.0%、100〜299人以下で46.4%が「多少悪い」あるいは「悪い」と回答しており、規模が小さくなるにつれ、業況が厳しくなる傾向となっている。
 業種別では、運輸業で62.7%の事業所が「多少悪い」あるいは「悪い」と回答しており、全体の49.3%を大きく上回っている。
 次に、原油等資源価格の高騰や円高等が事業活動に与える影響については、全体で、「収益を大きく圧迫している」が26.1%、「収益をやや圧迫している」が48.0%となっており、計74.1%が収益を圧迫していると回答している。
 業種別では、運輸業でその割合が特に高く、「収益を大きく圧迫している」が45.3%、「収益をやや圧迫している」が42.7%で、合計88.0%が収益を圧迫していると回答している。
 原油等資源価格の高騰や円高等への対応策については、最も多いのが、「経費削減(人件費以外)」(59.4%)で次いで、「商品、サービスへの価格転嫁」(31.2%)、「賃金調整または雇用調整」(14.4%)、「内部留保の取り崩し」(10.6%)などとなった。
 業種別では、卸売・小売業で「商品、サービスへの価格転嫁」が41.2%と他業種を大きく上回っている一方で、運輸業では「商品、サービスへの価格転嫁」は21.3%と低く、他の業種と比べ価格転嫁が困難となっており、経営圧迫の大きな要因となっている。
 「賃金調整または雇用調整」を実施している事業所(全体の10.7%)の具体的な方法は、「賃金調整(ボーナスの切り下げ等)」が49.6%、「残業規制」が37.3%、「中途採用の削減または停止」が24.2%、「派遣、パート・アルバイト、契約社員等の再契約停止」が18.0%、「業務日数の短縮」が13.8%などとなっている。
 業種別では、製造業の42.8%が「残業規制」、運輸業では68.2%が「賃金調整(ボーナスの切り下げ等)」を実施しており、他業種と比べそれぞれ高くなっている。卸売・小売業では30.1%が「中途採用の削減又は停止」を実施しており、製造業及び運輸業と比べ、その割合が高くなっている。
 

岩魚の里 奥深く一本道の最後にあった!

 労働基準広報 睡眠時間に配慮し時間管理・走行管理を強化
 交通労災防止のガイドラインが改正

岩魚の池 沢山の池で飼っている。

 

 厚生労働省はこのほど、平成6年に作成した「交通労働災害防止のためのガイドライン」を全面的に改正し、各都道府県労働局に通達するとともに、関係業界団体に対して会員企業への周知を要請した。
 改正ガイドラインの主な項目は、(1)睡眠時間の確保に配慮した適性など労働時間等の管理及び走行管理等の実施(2)交通労働災害防止のための教育内容の充実(3)荷主・元請事業者による配慮等(4)安全管理体制の充実――など。
 (1)については、@新たに運転者の十分な睡眠時間等の確保に配慮して、適正な労働時間等の管理・走行管理を行うことA走行開始地点・終了地点と運転業務従事者の自宅の間の移動時間などを考慮し、十分な睡眠時間を確保する必要がある場合は、より短い拘束時間の設定、宿泊施設の確保などの措置を講ずること―――を提示している。
 また、運転者を乗務させる前には、点呼等を実施して、@運転者に疾病、疲労、飲酒などのため安全運転に支障があるか否か報告させるとともに、その結果を記録することA乗務開始前24時間における拘束時間の合計が13時間を超える運転者の場合については、睡眠時間の状況を確認すること―――を事業者に求めている。
 そして、点呼等を実施して、@睡眠不足が著しい運転手や体調が不調である者に対しては、運転業務に就かせないことA1週間連続して1日当たりの拘束時間が13時間を超える等による睡眠不足の累積などのため安全運転に支障があると認められる運転者に対しては、走行途中に十分な休憩時間を設定する―――などの必要な措置を講じることを事業者に求めている。
 (3)については、荷主、元請事業者に対して、@過積載運行にならないように協力することA到着時間の遅延が見込まれる場合、改善基準等を遵守した安全運行が確保されるよう到着時間の再設定などを行い、到着時間が遅延した場合は不当に不利益な取り扱いを行わないことB高速道路の利用が交通労災防止に効果があることを踏まえて高速道路の利用について配慮すること―――などに取り組むことを求めている。
 同省が同ガイドラインの見直しを行った背景には、6年にガイドラインを作成して以降、交通労働災害による死亡者数は約半数に減少しているものの、休業4日以上の死傷災害が増加傾向にあり、また、重大災害(一時に3人以上が被災する災害)は6年に比べ18年は約50%増加している状況がある。

【2008年5月】
 労働基準広報 労災給付に不服あれば処分庁に再調査も
 政府・行政不服審査法案などを国会に提出
 政府は、4月11日、「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」などを国会に提出した。行政不服審査制度とは、国や地方自治体の課税処分や労災認定、情報公開の非開示などの行政処分に対して国民が不服を申し立てを行うもの。法案には、労働者や遺族などが労災保険給付の決定に不服があれば、処分庁に対して再調査を請求できるなど盛り込まれている。
              ※
 今国会に提出されている行政不服審査制度の関係法案は、
 @ 「行政不服審査法案」
 A 「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」
 @の法案は、現在二審制となっている行政不服審査を一審制にすることなどが主な柱。これに伴い、行政不服審査の前に行政処分を決定した行政庁(処分庁)に再審査請求を行う制度の導入なども提案されている。
 Aは、行政不服審査制度の仕組みの改正に併せて、労災保険などの不服審査制度を見直すこととしたもの。
 例えば、労災保険給付の決定に係る不服申立ての場合は、現行の各都道府県労働局に置かれた「労災保険審査官」(いわば一審)による審査と国に置かれた「労災保険審査会」(同二審)による再審査という二審制の構成から、労災保険審査官による審査制度を廃止し、一審制に改めることなどが提案された。そして、その代わりに処分庁に対する再調査を請求するという制度を導入することも提案されている。
 新たに設けられる再調査制度では、保険給付に関する決定に不服がある場合は、処分庁(労災保険給付の場合はその決定を行った労働基準監督署)に対して再調査請求をすることができるもの。もちろん、再調査請求を経た上で、なお決定に不服がある場合は、労働保険審査会に対して審査請求をすることができる。
 また、再調査請求が可能な期間は、原処分があったことを知った日の翌日から3カ月間、審査請求が可能な期間は再調査請求についての決定があったことを知った翌日から2カ月間とされている。
 現行制度では、例えば、労災保険給付に関する審査請求の場合、支給・不支給の決定から60日以内に労災保険審査官に対して審査請求を行い、さらに、不服がある場合は、その決定の通知を受け取った日から60日以内に労働保険審査会に対して再審査請求をすることになる。
 なお、この改正により、各都道府県労働局に置かれている労災保険審査官はなくなり、各処分庁に再調査担当者が配置される予定。
 Aの法案では、施行期日は改正行政不服調査法の施行日(公布日から起算して2年を超えない範囲で政令で定める)とされている。
 

心の森 モミジの新緑始まったばかり 柔らかい緑

 労働基準広報 青山商事・店長、課長などに残業代支給を決定
 936人に約12億円の遡及支給も実施

心の森キャンプ場 恒例のポイント

 

  紳士服チェーン「洋服の青山」などを全国展開する「青山商事株式会社」(本社・広島県福山市/青山理代表取締役兼執行役員社長)は、4月8日、同月21日から、これまで時間外・休日労働の割増賃金を支給していなかった店長、マネージャー及び同社の本社に勤務する課長に対して、時間外勤務手当を支払うことを発表した。
 支払対象となるのは、紳士服販売店「洋服の青山」の店長701人、同「ザ・スーツカンパニー」などのマネージャー51人、同社本社の課長61人の合計813人(いずれも今年3月末日現在の対象者数)。
 同社によると、これまで、これらの対象者については、労働基準法第41条第2号の「管理監督者」として取り扱っていたため、残業代を支給していなかった。
 同社では、これらの者を管理監督者には該当しない者と判断して、4月21日付けで、これまでの取扱いを改め、役職手当を一定額減額する代わりに、時間外勤務に対する割増賃金を支払うこととしたもの。
 同社によると、この改正により、トータルでは賃金支給額が、軒並み増額することになるが店長やマネージャーなどの職務内容や権限は変更しないとしている。
 また、この改正に伴って、同社では、今年4月20日以前2年分の時間外勤務手当を遡及支給する方針も打ち出している。
 この遡及支給の対象者には、現役の店長や、マネージャー、課長に加えて、退職者や対象期間内の店長経験者なども含まれる。
 対象者の合計は936人に上り、社会保険料の増加分を含む支払総額は12億円程度になる見通し。

過労死認定 東京高裁判決
08.5.23 読売新聞 海外出張続き 過労死認定 東京高裁判決 年183日「疲労が相当蓄積」
 約1年間に計10回、183日間の海外出張をした後、くも膜下出血で死亡した「セイコーエプソン」(長野県)の社員の妻が、松本労働基準監督署長を相手取り、労災と認めるよう求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は22日、請求を棄却した1審・長野地裁判決を取り消し、男性の労災を認める判決を言い渡した。青柳馨裁判長は「残業や休日出勤は少なかったが、多数回の海外出張で疲労が蓄積し、病気を発症した」と述べた。
 亡くなったのは、長野県松本市の犬飼敏彦さん(当時41歳)。判決によると、犬飼さんは2000年11月〜01年9月、アジアや南米などに計183日間出張し、人材育成などの業務に当たっていたが、最後のインドネシア出張から帰国した6日後、国内の出張先のホテルで死亡した。
 犬飼さんの発症前の半年間の時間外労働は月30時間未満だった。厚生労働省は月45時間未満の場合、病気の発症と業務の関連性は弱いとしており、1審も「過重な業務だったとは言えない」と判断していた。
 これに対し、控訴審判決は「海外出張は生活が不規則。言葉や生活慣習も違い、相当の疲労を蓄積させる」と指摘、業務と死亡との因果関係を認めた。
 原告代理人は「労働時間や仕事量ではなく、海外出張自体の負担の大きさを認めた意義は大きい」としている。
 長野労働局労災補償課の話「主張が理解されなかったことは残念。上告については関係機関と協議し、対応したい」
 

 おだまき 結構 種が飛び散り増えます!

【2008年2月】
08.2.14 読売新聞 発注元にも賠償判決 請負会社従業員の労災巡り

  一輪草  可憐な花

 

 製缶会社から工場での検査業務を請け負っていた会社の男性従業員(当時22歳)が作業中に死亡した事故を巡り、両親が、男性の勤務先と発注元の両社などに損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。山田俊雄裁判長は「男性は実質的には発注元の指示のもとに作業をしていた」と発注元の責任を認め、両社に計約5170万円の賠償を命じた。原告代理人の弁護士は「請負の形を取っているが、偽装請負を認めた判決。派遣先の企業の責任逃れを許さないという点でも画期的」と語った。
 判決によると、男性は神奈川県相模原市の製造業務請負会社「テクノアシスト相模」に雇用されていたが、2003年8月に「大和製罐」(東京都)の工場での缶のふたの検査業務を命じられ、高さ約90aの作業台での作業中に転落、約3か月後に死亡した。
 訴訟では、発注元にも賠償責任があるかが争点となり、判決は、発注元が製造ラインを管理していたことなどから、「男性と発注元には実質的に使用従属の関係があり、発注元も安全配慮義務を負っていた」と認定。請負会社と発注元の双方に安全管理責任があったと結論づけた。
 大和製罐の話「判決は偽装請負とは認定していない。判決文を慎重に分析したい」
 テクノアシスト相模の親会社トラストワークスの話「真摯に受け止め、誠意を持って対応する」

特集 労災W
              ケース20
 Q パートと契約社員しかいないが均衡どう図る
 当社は、数店舗を展開する小売業です。各店舗の店長に社員を配置し、店舗の従業員はパートと契約社員としています。契約社員数名はパートと同じ仕事ですが、社員にはパートと同じ仕事の者はおりません。この場合改正パート法に基づく社員との待遇の均衡を図ることが必要でしょうか。
 同一店舗・同一業務の契約社員と比較することに
  ご指摘のとおり、「短時間労働者の雇用管理改善等に関する法律」(「パート労働法」)が改正され平成20年4月1日から施行されます。
 改正法は、パートについて、同一の事業所の通常労働者と比較し、@職務の内容が同一か否か、A@を満たした以降の全雇用期間を通じて人材活用の仕組みと運用等が通常の労働者と同一の範囲内で変更すると見込まれるか否か、B労働契約に期間の定めがないまたは実質的に機関の定めのない労働契約と同視し得る状態にあるか否か―――の3要件により、4つに分類し、それぞれ義務・努力義務事項を定めています。
 具体的には、@〜Bを全部満たすパートは、通常の労働者と同視すべきパートとされ、通常の労働者との待遇差別が禁止されます(法第8条)。また、@とAを満たすパートには、職務関連賃金を通常の労働者と同一の方法で決定する努力義務などが課されます(法第9条第2項等)。@の要件のみ満たすパートや@〜Bの要件を1つも満たせないパートに関しても、それぞれ義務事項や努力義務事項があります。
 このため、各企業では、自社の雇用するパート(所定労働時間が通常の労働者より短い者をいいます。)がどの要件を満たすかを確認する必要がありましょう。
 この際に、問題となるのは、パートとの職務内容などを比較する「通常の労働者」の範囲です。
 この点については、「法第2条の「通常の労働者」とは当該事業所において、社会通念上にしたがい「通常」と判断される労働者をいう」とされています。(平19・10・1 基発第1001016号、職発第1001002号、能発第1001001号、雇児発第1001002号)。
 つまり、正社員だけが「通常の労働者」に該当するわけではなく、(イ)パートと同種の業務に従事する正社員などの正規型労働者がいる場合はその者、(ロ)こうした労働者がいない場合は同種の業務に基幹的に従事しているフルタイム労働者(フルタイムの基幹的労働者)―――と比較するとされています(前掲行政解釈)。
 ここでいう「フルタイムの基幹的労働者」とは、「当該業務に恒常的に従事する1週間の所定労働時間が最長の、正規型の労働者でない者を指す」とされ、一時的な業務のために臨時に採用されている者は含まれないほか、異なる業務に従事する正規型労働者の最長の1週間の所定労働時間が短い者も含まれません(前掲行政解釈)。
 また、その事業所にパートと同種の業務に従事する正社員もフルタイムの基幹的労働者もいない場合は、(1)その事業所での他の業務に従事する正社員がいる場合はその1週間の所定労働時間が最長の者と比較、(2)その事業所での他の業務に従事するフルタイムの基幹的労働者がいる場合はその1週間の所定労働時間が最長の者と比較―――することになります。
 御社の場合、店舗に社員は店長だけということです。仮に、店舗ごとに法上の「事業所」とみなされる場合は、社員と同じ時間勤務している契約社員が数名おり、契約社員はパートと同じ業務に従事しているということですから、契約社員が御社の店舗における「通常の労働者」となりますので、この方々とパートを比較し、前記3つの要件を満たすか否かをみていくことになりましょう。
 

 宇都宮文化会館玄関口

            ケース19
 Q 派遣社員を派遣先が面接してから決めたいが
 当社では、初めて派遣労働者を受け入れることを検討しております。業務遂行能力はもちろんですが、他の従業員と協力・調和して業務を遂行できるかといった点も気になるところです。そこで、派遣労働者の候補者を事前に面接したいと考えているのですが、法的に問題はないでしょうか。
 紹介予定派遣か本人希望なければ面接は出来ない
 A お尋ねは、派遣労働者を受け入れる場合に、派遣先が事前に派遣労働者を面接することができるかということです。
 結論から申し上げますと、派遣先が派遣労働者を事前に面接するなどの行為は紹介予定派遣など一部の例外を除き、認められていません。
 労働者派遣法第26条第7項では、「労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。」と定めているからです。
 同条を受けて、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」(平成11年労働省告示第138号。以下「派遣先指針」といいます。)では、派遣先に対し、受け入れを行なう派遣労働者を特定することを目的とする行為(以下「特定目的行為」といいます)を禁止しています。(派遣先指針第2の3)
 また、派遣元に対しても、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成11年労働省告示第137号。以下「派遣元指針」といいます。)において、派遣先による特定目的行為に協力することが禁止されています(派遣元指針第2の11)。
 ここでいう「派遣先による特定目的行為」には、@派遣先が労働者派遣に先立って派遣労働者を面接すること、A当該労働者の履歴書を送付させること、B若年者に限るとすること―――などが該当します。
 では、通常の労働者派遣では、派遣先による面接などが一切認められないのかというと、そうともいえません。
 派遣労働者(派遣労働者となろうとする者を含みます)自身が自らの判断で派遣就業開始前に派遣先の事業所を訪問したり、派遣先への履歴書送付を行うことや、派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先による特定目的行為に該当しないとされているからです。(派遣元指針の第2の11(1)、派遣先指針第2の3)。
 このため、派遣労働者本人が自主的に希望した場合には、派遣元は、労働者派遣に先立って、派遣先の事業所を訪問させたり、履歴書を派遣先に送付することが可能ですが、派遣先又は派遣元は、派遣労働者などに対してこれらの行為を求めないことが必要です(前掲各指針)。
 なお、法第35条により、派遣元には、派遣先に対し、派遣労働者の氏名や労働・社会保険の被保険者資格の確認の有無に関する事項などを書面で通知することが義務づけられているため、これらの事項を知らせることは、派遣先による派遣労働者の特定目的行為には該当しません。
 また、派遣元指針では、「労働者派遣事業制度の性質上、派遣元事業主が派遣先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法第35条の規定により派遣先に通知すべき事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限られるものであること」としています(第2の10(1)ニ)。
 したがって、業務遂行能力に関する情報を派遣先に提供することも問題ありません(特定目的行為に当たりません)。
 

    猫やなぎ

     節分草

 

           ケース18
 Q 代表取締役で出向する者に労災保険の適用は
 現在、当社の管理職の地位にある者(仮にA)が、子会社に代表取締役として出向することになりました。出向元で労働者であった者が、出向先で役員となった場合、労災保険の適用は可能なのでしょうか。また、可能な場合、その取り扱いは、出向元、出向先のどちらになるのでしょうか。
 労働者性認められず労災保険の保護の対象でない
 A 出向労働者に対する労災保険の適用について、行政解釈では、「出向労働者に係る保険関係が、出向元事業と出向先事業とのいずれにあるかは、出向の目的及び出向元事業主と出向先事業主とが当該出向労働者の出向につき行った契約ならびに出向先事業における出向労働者の実態等に基づき、当該労働者の労働関係の所在を判断して、決定すること」とされています(昭35・11・2 基発第932号)。
 ここでいう「労働関係の所在」とは、一般に、出向元、出向先のどちらが労働者の賃金を負担しているかではなく、出向労働者がどちらの事業で労務を提供しているかで判断することとされています。
 したがって、出向労働者は、出向先で労務を提供するのが通常ですから、労災保険は、出向先で適用することが原則となります。
 それでは、お尋ねのケースのように、出向先で役員になる者の労災保険の適用についてはどのように扱うことになるのでしょうか。
 そもそも、労災保険制度の保護の対象となるのは、職業の種類を問わず、労災保険法の適用を受ける事業に使用される者で、賃金を支払われる者となります。つまり、労働基準法第9条に規定されている労働者と同義であって、使用従属関係にある者を指すわけです。
 したがって、法人、団体、組合などの代表者または執行機関たる者など、事業主との関係において使用従属関係がない者は、「労働者」に該当しません(昭23・1・9 基発第14号、昭63・3・14 基発第150号 平11・3・31 基発第168号)。
 つまり、これらの者には、原則として、労災保険制度の適用はないことになります。
 お尋ねのAさんについては、出向元である御社と雇用関係が継続している場合であっても、勤務の実態は出向先にあり、出向先では代表取締役となるということです。
 そうしますと、一般には、代表権あるいは業務執行権を有することになると思われ、事業主と使用従属関係にない者になると考えられますので、労災保険制度の適用を受ける「労働者」には該当しないことになりましょう。
 なお、代表取締役ではなく、法人の重役の労災保険の取り扱いについて、行政解釈では、「法人の取締役、理事、無限責任社員等の地位にある者であっても、法令、定款等の規定に基づいて業務執行権を有すると認められる者以外の者で、事実上業務執行権を有する取締役、理事、代表社員等の指揮、監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を得ている者は、原則として労働者として取り扱う」とされています(昭34・1・26 基発第48号)。
 ただし、Aさんは、代表取締役になるということですから、このケースには該当しないといえます。

              ケース16
  Q ヘルパーが訪問先で蜂に刺されて負傷したが
 当社のホームヘルパーが、訪問先の利用者宅で介護サービスを行っていたところ、開いていた窓から数匹の蜂が入って来て、その蜂に刺されてしまいました。事情を聞くと、その利用者宅の軒下に蜂が巣を作り、多数飛んでいたということでした。この災害は、業務上災害と認められるのでしょうか。
 故意に巣を刺激する行為なければ業務上の災害に
 A ある災害が業務上災害と認められるためには、その災害に業務遂行性と業務起因性が認められることが必要です。
 業務遂行性とは、「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあること」をいいます。
 したがって、通常、労働契約に基づき、労働者が本来の担当業務を行っている最中は、業務遂行性が認められることになります。
 業務遂行性については、事業場内で業務に従事している場合はもちろん、事業場外で業務に従事している場合も認められますから、お尋ねのケースのように、介護サービスの利用者宅での業務についても、特別な事情がない限り、業務遂行性に関しては特に問題ないと考えられます。
 一方、業務起因性とは、「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあること」に伴う危険が現実化したものと経験則上認められることをいいます。
 つまり、業務と災害との間に、一定の因果関係がなければならないわけです。
 この「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にあること」とは、業務遂行性のことですから、業務遂行に伴う危険が現実化したものと認められれば、業務起因性があるということになります。
 一方、労働者が私的行為や恣意的行為によって災害が発生が発生した場合は、業務起因性は認められず、その災害は業務外とされます。
 お尋ねのケースは、ホームヘルパーが、訪問先の利用者宅での介護業務中に、窓から入って来た蜂に刺されたというものです。
 業務中に蜂などに刺されたケースについて、過去の認定事例では、河川護岸工事現場での作業中に土蜂に刺されたケース(昭25・10・27 基収第2693号)について、本件災害は、当該作業に起因するものとして、業務上災害と認められています。このケースは、作業当日、数匹の蜂が作業場付近を飛び回っており、作業者などもどこかに巣があるのだろうと思っていたという事案でした。
 また、配管工が草むらでの作業中に、その地に多く生息するハブにかまれたケース(昭27・9・6 基災収第3026号)でも、危険な職場環境に起因したものとして、業務上災害と認められています。
 そこで、改めてお尋ねのケースを見てみますと、ホームヘルパーが負傷された利用者宅の軒下には、蜂が巣を作っていたということで、被災時には、蜂が多くみられたということです。
 そうしますと、そのホームヘルパーの負傷については、利用者宅での介護業務に内在する危険が現実化したものとみることができましょう。
 ただし、前述しましたように、労働者の私的行為や恣意的行為によって発生した災害には、業務起因性は認められず、その災害は業務外とされます。
 したがって、例えば、ホームヘルパーの方がふざけて蜂の巣を刺激して蜂に刺された場合や、会社から介護保険の適用外となる用務などは、行わないよう指示が徹底されていたにもかかわらず、単なる個人的な善意で蜂の巣を駆除しようとして蜂に刺されたような場合は、業務外と判断される可能性が高いといえましょう。
 

     雪割草

  梅 一輪

 

          ケース14
 Q 労災申請に添付する診断書の費用はどうなる
 当社に、業務上災害による右腕のケガで通院している者がいるのですが、先日、労働基準監督署から治ゆの認定を受けました。若干の障害が残ったために、障害補償給付の申請を行う予定ですが、申請の際に添付する診断書の費用も労災保険から支給されるのでしょうか。
 障害補償給付を請求する場合の診断書料は支給に
 A 労働者が被った業務上災害による負傷または疾病が治ゆしたときに、身体に一定の機能障害が残った場合には、障害補償給付が支給されます。
 障害補償給付には、障害等級第1級から第7級までの者に対する障害補償年金と障害等級第8級から第14級の者への 障害補償一時金があります(その他特別支給金なども支給されます)。
 この障害補償給付を受ける場合には、「障害補償給付支給請求書」(様式第10号)に、必要事項を記入し、所轄労働基準監督署長に提出することになります。
 この請求書には、次のような資料を添付しなければなりません(労災保険法施行規則第14条の2第3項)。
(1) 負傷又は疾病が治ったこと及び治った日並びに治ったときにおける障害の状態に関する医師または歯科医師の診断書
(2) 必要があるときは、障害の状態を証明し得るようなエックス線写真などの資料
 そして、この請求を受けた労働基準監督署長は、障害補償給付を支給するか否かの判断を行います。
 お尋ねは、この請求書に添付する医師の診断書の作成にかかる費用も労災保険から支給されるかというものです。
 労災保険における診断書料の取り扱いについて行政解釈は、保険給付を受けようとする者及び現に保険給付を受給中の者が規則の規定に基づいて提出した診断書については、診断書に要する費用を支給することとしたうえで、その支給対象となる具体的な診断書を示しています(昭56・9・2 基発第555号、昭60・4・11 基発第209号、昭61・4・30 基発第261号)。
 そして、解釈で示されている診断書の1つに、障害補償給付の支給を受けようとする受給権者が、障害補償給付請求書に添付して提出した「障害の部位及び状態に関する診断書」があります。
 したがって、お尋ねのケースの診断書料については、労災保険から支給が受けられるわけです。
 お尋ねの場合の診断書に要する費用の支給額は前掲行政解釈により3000円となっています。
 なお、療養補償給付などの受給者が、残存する障害について障害補償給付を請求する場合の、障害補償給付請求書に添付して提出した診断書の費用については、障害補償給付の支給決定の結果に関係なく、労災保険から支給されることとされています。
 余談ですが、その他に診断書の費用が支給されるものには、例えば、障害補償年金の受給者が、障害の程度に変更があったとして、障害補償給付変更請求書に添付して提出した診断書などがあります。
 ただし、労災請求にかかる診断書料のすべてについて、労災保険から支給がされるわけではありません。
 例えば、業務上と思われる災害について、労災請求を行い、その災害が業務外と判断された場合は、請求書に添付した診断書の費用は、労災保険から支給されません。